ピアノ曲「子犬のワルツ」でショパンの装飾音の魅力を!
2018/02/27
小学3年生のSちゃんは、今年に入って始めてのレッスンでの最初の言葉は?
「先生 発表会で子犬のワルツを弾きたい!」でした。
「子犬のワルツ」は、多くの子供達の憧れの曲のひとつです。
速いパッセージの華やかさに憧れるようです。
この曲は、ショパンの人生の中でマジョルカ島で愛するジョルジュ、サンドと暮らしていた一番幸せな時期に作曲されています。
jジョルジュ.サンドが飼っていた可愛い子犬の走り回っている姿がショパンの心を和ませ更に幸せなひと時になっていたのでしょう。
この曲の明るく、楽しげなメロディーは、子供達の心を虜にするのは、ショパンのこのような背景があるのかもしれません。
Sちゃんには、練習を頑張る事を条件にOKをだしました。
ショパンの装飾音の入れ方には、独特なものがありますので、Sちゃんにとって今までと違った事を学べる良い機会と思います。
それでは
Sちゃんの演奏する「子犬のワルツ」を例にして
ショパンの装飾音についてお話ししたいと思います。
1:最初のトリル(トリルのない楽譜もあります。)は、短いトリルです。
この場合には、ラシラ~と弾きます。
初めの2つの音ラとシが装飾音符で3つめの音ラが主要音ですから最後のラを一番大事に弾きます。
2:装飾音は、<拍と同時>に弾くか、<拍の前に>弾くかどちらかです。
例えばこのような音型の場合ショパンの作品では、<拍と同時>が良いと言われています。
ですから、243の指で弾く部分は、ミファミと弾きます。
。
3:最後のBのスケールの部分ですが、ショパンの特徴として最初はゆっくり入り徐々に速度を上げていきます。
また、ショパンは、うねうねとした旋律はを好み、繋がりが悪く、ごつごつした感じを嫌ったそうです。
普通はAの部分は、レガートにしてしまうところをあえて繋げていません。
ショパンの装飾音については、まだまだたくさんの特徴がありますが、ショパンの曲を初めて弾くSちゃんには、まずこの様な装飾音の入れ方もレッスンに取り入れて行きたいと思っています。
発表会で素敵な演奏が出来るよう先生と一緒に頑張りましょう~♫
クラビアートピアノ教室 講師 田原礼子
関連記事
-
-
音符をスラスラ読めるようになる為に!
音符がスラスラ読める子と読めない子の違いと原因について考えてみましょう。! 私が …
-
-
絶対音感は、聴く力=弾く力の源
絶対音感は天才だけが身に付くものではなく、6歳半頃までに行なう訓練によって殆どの …
-
-
発表会はコンサート会場やピアノの違いによる演奏方法を学ぶ良い機会でもあります!
著名なピアニストの演奏会では、大ホールで行われる事が多いと思いますが 発表会で大 …
-
-
ピアノで速いパッセージを美しく弾ける為の練習方法!
殆どの子供達の憧れは、速い曲を弾けるようになる事! 長い講師歴の中で、モーツァル …
-
-
ピアノレッスンでウィンナーワルツとワルツの違いを!
ピアノ発表会でRちゃんは、ウィンナーワルツを演奏する事になりました。 何曲かチョ …
-
-
ピアノのオクターブを楽に弾けるようになる為に4つのポイントで教えます。
オクターブとは、(ド~ド)(レ~レ)など8度の音符のことです。 オクターブを弾く …
-
-
あっという間の1時間のピアノ練習
大人の生徒さんは、ほとんどの方々がお仕事を持っていらしゃいます。 つまり、かなり …
-
-
音楽記号の「休符」も大切な記号!
休符とは、お休みの音楽記号! 今日のレッスンでも、ピアノを弾かず手で叩くだけのリ …
-
-
ピアノで幼児期に絶対音感をつけるとメリットがいっぱい!
絶対音感とは、聞こえてきた音を(私達日本人が「あいうえお」を聞くのと同じくらい自 …
-
-
ピアノを美しく奏でるための「レガート奏法」をマスターしましょう!
レガートとは、なめらかに繋げて弾くという意味です。 スラーと言う記号でかかれてい …