ピアノでバッハとベートーヴェンを弾いて学ぶ事が、とても重要な理由
2016/01/03
ベートーヴェンは次元が違う偉大な作曲家です。
ブラームスもシューベルトショパンもリストも今日私達が彼らを見るのと同じような目でベートーヴェンを見ていました。
歴史に名を残すような作曲家にとってさえ特別な存在、それがベートーヴェンだったんです。
音楽と言えば現在はあたりまえに「芸術」ですよね。
でも、昔は音楽は芸術ではありませんでした。
教会では古くから神に祈る為に音楽がありましたし、貴族のたしなみとしても音楽はありました。
しかし、当時の音楽家とは貴族の職人か教師か何かそういう立場だったようです。
それでは、歴史のなかでいつ音楽が芸術になったのでしょうか?
実はベートーヴェンのおかげなのです。
それまでの音楽に納得出来ないベートーヴェンが突然堂々と「音楽は芸術である。音楽家は芸術家である」と公言したのです。
そしてベートーヴェンは、公言どうり音楽に限りない可能性を見抜き当時の人々の考えもつかない先見の目をもち、常に今までのものとは違う芸術作品を作り続けました。
作品の性格は宗教的、哲学的で重厚感があります。
更に一曲ごとの重みが違います。
妥協を許さず常に芸術家として前作とは違った意味のあるものを作り続け、あらゆる観点から進化を止めませんでした。
その結果素晴らしい作品を数多く後世に残しました。
また、何事にも妥協を許さないベートーヴェンは、ピアノの進化にも大きく貢献しました。
ピアノ製作者達は、ベートーヴェンの要求を満たすために次から次へと最新型のピアノを贈り続けました。
ジャンルを問わずベートーヴェンは、何でもこの調子ですが、その性格のお陰で何百年分もの歴史を推し進めたと言っても過言ではないのです。ベートーヴェン以前も以後も彼に匹敵する人は存在しません。
まさにベートーヴェンが「音楽の神様」と言われる理由なのです。
皆様誰もがご存知のベートーヴェンと同じように古典派の代表とされるモーツァルトも素晴らしい作曲家です。
しかし、ベートーヴェンとの作曲する時の大きな違いは、頭の中を完成されたメロディーが流れ極端にいえばそれを五線譜に書き留めるだけだったのです。
これに対し常に妥協を許さず自分に厳しく勉強進化を続けるベートーヴェンは思いついたメロディーを少しずつノートに書き留めて、それを変形したり、組み立てたりして一つの作品を作っていきました。
ベートーヴェンが音楽の「神様」と言われる理由です。
さてここからは「音楽の父」と言われるバッハの重要性のをお話しをさせて下さい
バッハは音楽の基礎を作った人です。だから「音楽の父」なのです。
バッハが残した音楽技法は、ベートーヴェンも真剣に学びました。(ベートーヴェンもとお話ししたのは、後世の著名な作曲家全てがバッハの音楽技法を学ばなければ素晴らしい作曲が出来なかったと言っても過言ではないからです。)
バッハの存在が無かったとしたらベートーヴェンは、音楽を学ぶのにもっと苦労したはずです
また、ショパンも当時有名な女流作家ジョルジュ・サンドと過ごしたマヨルカ島に尊敬するバッハの平均律の曲集だけを持って行ったとも言われています。
「音楽の詩人」と言われるショパンの曲の中にも、バッハの音楽技法はたくさん使われているんですよ。
話が少し横道にそれてしまいましたが、それだけバッハも歴史に名を残すような作曲家から現代の音楽家を含めての師匠であり尊敬に値する偉大な音楽家なのです。。
つまりこの二人のどちらか一方でもいなかったら、今ある音楽は、無かったかもしれないのです。
そういう意味で私は、バッハとベートーヴェンが音楽という芸術家のトップ2ではないかと思います。
ベートーヴェンの考え・意思はいろいろと伝えられていますが、名曲だの才能だのという小さな話でないと思います。
音楽の枠、時代を越え人類の歴史に残る偉人だと思います。
最後に「音楽の父」バッハ、「音楽の神様、」ベートーヴェンの偉大さと共に彼らの残した音楽を学ぶ重要性が少しでもお伝え出来たとしたら幸せです。
クラビアートピアノ教室 講師 田原礼子
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