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ピアノ発表会で子供達が弾きたい曲のひとつ「アラベスク第一番」の秘密

      2018/08/22

今年7月の発表会に小学6年生のHちゃんからドビュッシー作曲「アラベスク第一番」を弾きたいと言われました。

帰国子女で昨年秋に入会下さった女の子です。

ピアノ初心者ではありませんので、いつも以上に頑張って練習をする事を条件にOKを出しました。

「アラベスク第一番」は。長い講師生活の中でも子供達に人気のある曲のひとつです。

私は、ドビュッシーは印象派の代表的な作曲家である事を度々お話ししてきました。

以前にもお話ししましたように、現代のピアノがほぼ完成した時代です。

「アラベスク第一番」は、もちろん印象派の曲!

古典派の時代に作曲された、ソナチネ、ソナタ、ツェルニーなどで、しっかりしたタッチとある程度のテクニックがついてからでしたら印象派の導入曲としてお薦めです。

さて、どこが魅力的なのでしょう?

1:メロディーの美しさ

当たり前ですが、メロディーの美しさにまず魅せられてしまうと思います。(どの曲も、ここから好きな曲を持つ始まりですから)

「アラベスク第一番」の魅力は、メロディーが音の泉のように湧き出る旋律が流れ、メロディーを織りなす絶妙な美しさではないでしょうか?

アラベスク模様のようなカラフルで華やかな音色も魅力のひとつでしょう。

2:「ポリリズム」への憧れ

「ポリリズム」とは、「アラベスク第一番」で言えば左手2つの八分音符に右手の3連符を入れる。

要するに、右手と左手の異なる拍子が同時進行で行われる事を言います。

ピアノの上達と共にこの演奏方法は、必ずマスターしなければならないテクニックです。

そして、この右手と左手で織りなすメロディー

2つの旋律が同時に流れそれぞれのメロディーが違う色合いを保ちながら重なり合う美しさは、何とも言えない魅力となっています。

ご存知の方が多いと思われるショパンの「幻想即興曲」なども、このポリリズムを使った代表的な曲と言えるかもしれません。

3:カラフルな音色を創り出す面白さ

「アラベスク第一番」の難度は?

と聞かれるとここがピアノ講師として困りどころです。

右手と左手を別々に弾いてみると、簡単ではありませんが、さほど難しいとも言えません。

ただ、先程もお話ししたように、違った音色を同時に両手で美しく奏でる難しさがあります。

けれど、この事をマスター出来ると演奏する楽しさが倍増すると思います。

ほぼ、現代のピアノが完成した時代背景がありますので、

ピアノの完成度の歴史と共に、更に体(指、手、腕etc)の使い方も進化しています。

ピアノと言われるものが出来たばかりのベートーヴェンやモーツァルトが作曲した古典派時代の演奏方法とは当然違って来ます。

しかし、ピアノを習い始めると必ず使用する練習曲としての教材は、ツェルニー、ソナチネ、ソナタetcなど古典派を学びますよね。

と言うのも これらの教材は、その後の時代の曲を演奏するための 基本を学びピアノの上達の為には不可欠な重要なものなのです。

ピアノを演奏する為の、最も基本的で大切な「しっかりしたタッチ」を身に付ける事が出来ます。

この「しっかりしたタッチ」を身につけられてからが、本当の意味での色々なテクニックや表現方法を学べるのです。

ですから、古典派をしっかり学び、その後のそれぞれの時代の曲を演奏して行く事が大切です。

そして始めて印象派の曲「アラベスク第一番」を、先程(1)と(2)のドビュッシーならではの美しいカラフルな音色で弾ける面白さを知る事が出来るのです。

まさに、しっかりしたタッチでの演奏力があって表現の幅が広がり 始めて印象派特有の音色作りを楽しめるのです!

ほんの一部の例を下記に記しますね。

A:脱力を使っての演奏方法

B:打鍵の速さによって音色をコントロールする

C:強い音の出し方は、力や手指や腕の重さだけに頼らず、演奏中の姿勢や手指の使い方を駆使する事で,

遠くに音を飛ばすと言う感覚で弾くなど

まだまだ、美しい音色作りの演奏方法があります。

5:ペダルの操作の難しさを克服する事で曲の美しさが増す楽しみ!

ピアノの完成度が格段に良くなった分、ペダルの操作が複雑で難しくなります。

グランドピアノには、3つのペダルがついています。

以前の私のブログカテゴリーの中の「練習方法」でこの3つのペダルの効果的な使い方のお話しをさせて頂いています。

詳しい説明は、そちらでご覧頂き、今日は簡単にお話しさせて頂きます。

向かって右から

ダンパーペダル、ソステヌートペダル、ソフトペダルとなります。

A:ダンパーペダルは、弦の上に乗っているダンパーをペダルを踏むことで弦からダンパーが離れ音が響きます。

高度な踏み方になるとハーフペダルやクォーターペダルなどの踏み方で音色を変える事が出来ます。

B:ソステヌートペダルは、ソステヌートと言う音楽用語で音を十分に保つと言う意味でのペダルです。

C:ソフトペダルは、通常1つの音を出す為に3つの弦をハンマーで叩くことによってだす音を2つの弦で鳴らす為のペダルです。

ですから音量が当然小さくなります。

ここで勘違いしがちなのが、

音量を小さくする為だけと思う方が多いことです。

ソフトペダルは、音色を変える為のものでもあるのです。

この3つのペダルの効果的な使い方を一番学び楽しめるのは、印象派の曲と私は思います。

「アラベスク第一番」は、子供達の演奏レベルに応じて、美しさを楽しみながらテクニックを学べる魅力溢れる曲だと思います。

Hちゃんへ

美しい「アラベスク第一番」を奏でられる為に先生と一緒に頑張りましょうね~

クラビアートピアノ教室  講師  田原礼子

 - 発表会

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