手の小さい人でも弾きやすいピアノ曲
2016/01/15
タイトルに、ただ漠然と手の小さい人とお書きしましたが年齢、レベルによってもお話しはかなり違ってきます。
そこで、今日は、年齢に分けてお話しを進めたいとおもいます。
お子様の場合
レベルの高いピアノを弾くことが、出来るお子様の選曲は、大人の方以上に大変です。
今までの講師歴でかなり練習をこなせて指の良く回るお子様には、小学3年生~4年生頃にピアニストと同じ速さで、ショパンの「子犬のワルツ」とモーツァルトの「きらきら星変奏曲」を発表会で何回も使用させてきました。
手の小さなお子様でも弾きやすいのはもちろんの事、明るく、華やかで、速い曲は、憧れの曲でもありますので、どちらもお勧めの曲です。
「きらきら星変奏曲」の変奏曲とは曲の基本となる(テーマ)があり、それを(バリエーション)といって、次々と変奏した曲から作られています。
ですからモーツァルトの「きらきら星変奏曲は、皆様のほとんどがご存知で歌で歌える単調な(テーマ)である「キラキラ星」のメロディーから始まります。
変奏曲ですので、すべてのバリエーションを弾かずお子様にあった部分をお子さまの気持ちを聞きながらチョイスすることもできますのでお薦めです。
但し、変奏曲をチョイスする場合に気をつけなければいけないことは、最初のテーマと最後のバリエーションは必ず弾きこなさなければいけないこと事です。
「きらきら星変奏曲」の難しい最後のバリエーションを弾きこなせるお子様にお薦めです。
高いレベルの曲を弾きこなせる事が出来る小さな手のお子様の選曲に悩まれたら、ぜひ発表会で使用してみてください。
また、普段の練習曲もレベルが高くなる程、大人でも手の小さな方は大変です。
ですから、とくにオクターブ(ド~ド、レ~レなど8度)も届かない小さなお子様のレッスンではいろいろとそのことを補える講師の工夫が必要です、
中学生~大人の方の場合
バッハとモーツァルトの曲は、比較的手の小さな方には、お薦めです。
また、大人の方では手が小さいといってもやっとであっても何とかオクターブは届く方が多いのではないでしょうか?
ベートーヴェンの「テンペスト」ショパンの「革命}もお薦めです。
情熱的な曲と言うと手の小ささで苦戦する曲がおおいのは事実ですが、ドビュッシーのベルガマスク組曲の中の「月の光」「プレリュード」は、お勧めしたいです。
ただ、シューマンやメンデルスゾーンの曲は全てではありませんが手の小ささに悩まされる曲が比較的多いと思います。
ただ、手が小さくてオクターブが届かないと思っていたら、実は広がらない指だったりすることもありますので、私のブログの「楽器なしでもできるピアノトレーニング」をご覧いただけたらと思います。
また、私自身も手の大きい方ではありませんので手の小さい方のお悩みはよく分かります。
けれど、昔一世を風靡した中村紘子さんというショパンコンクールで入賞したピアニストがいます。その方の手は一般の方の手よりかなり小さかったとの事です。
ですから、小さな手と嘆くだけで終わらせずある程度弾き方の工夫で弾きこなすこともできる事を忘れないで頂きたいと思います。
また、そういう方々は手の大きい方には、悩みがないように思いがちですが、信じられないでしょうがそんな事はないのですよ。
例えば、オクターブを外しやすいなど、実際に私の知り合いのピアニストの方のお話しです。
まあ何はともあれ確かにピアノの手の小ささに悩まされている方の気持ちは私自身もそうですからよく分かります。
ただ、「隣の芝生は青かった」とのことわざがありますし、またコンプレックスだけで終わらせずにどうか工夫して一曲でもあなたの憧れの曲が弾けて頂けたら幸せです。
クラビアートピアノ教室 講師 田原礼子
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Comment
初めまして。
こんにちは、きりんと申します。
記事、とても参考になりました。ありがとうございます。
娘のピアノの発表会の選曲で悩んでおります。
もしよろしければ、きらきら星変奏曲と同じように、小さい子向けで難易度がそこそこあるものをほかに教えていただけますでしょうか。
娘は現在小学二年生です。発表会は来年の2月末頃です。
レッスンは4歳からはじめました。
現在練習しているときに使用している本は、ハノン(大人用)、子供のチェルニー(3冊あるうちの3冊目)、バッハのインベンション、ソナチネアルバムの4冊です。
昨年はメンデルスゾーンの無言歌集より紡ぎ歌を、結構な速度で弾きました。
ところどころ手の届かないところは、先生に音をアレンジしていただきました。
今回はペダルには足が届くと思いますが、まだオクターブは当分届きそうにありません。
先生より、きらきら星変奏曲はいかがでしょうか。とお話をいただきました。
そこに不満があるわけではなく、先生のご指導通りにお願いしたいと思っておりますが、ほかに候補があればこちらから先生にお伺いすることももちろん可能なので、ほかに同じような条件で何かオススメの楽曲がありましたらお教えいただきたくよろしくお願いいたします。
きりんさん
初めまして!
小学2年生で「キラキラ星変奏曲」を先生に勧められるとはお母様自慢のお嬢様なのでしょうね!
私は、お嬢様の性格や雰囲気を良くご存知の先生の選曲でしたらお嬢様が嫌いな曲でない限り先生の判断におまかせしたら良いかと思います。
その上でどうしてもとの事でしたら、他にも比較的モーツァルトの曲は小さな手のお子様でも弾きやすい曲が多いと思います。
また難易度的に、ヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」などもお薦めです。
ただ、私のあくまで個人的な考えですが、「キラキラ星変奏曲」や「子犬のワルツ」の方が華やかさがあると思います。
よく先生とご相談なさってお決めになって下さい。
今回の発表会も素晴らしい演奏が出来ることを陰ながら応援しています。
田原礼子 先生
お忙しいところご返信くださりありがとうございます。
ヘンデルの調子のよい鍛冶屋、聴いてみました。
前半のトレモロと後半の正確な指の動きがとても魅力的な曲に感じました。私個人的には、派手すぎずでも耳なじみがよく、とても好みの曲です。
ですが、発表会ということを考えて、田原先生にアドバイスいただいたとおり、きらきら星変奏曲にしたいと、娘の先生に伝えてみます。
娘自身も、「きらきら星知ってる!」と取り組みやすそうに感じているようです。ただ、長くていやだなぁーと、子供らしい感想を言っていたので、先生にうまくご指導いただいて完成させられればと思います。
今回、田原先生のアドバイスが、本当にとても参考になりました。娘の先生にはとても信頼を置いているので、その先生のご指導についていくのがきっと一番よいことなのだろうとあらためてわかりました。
本番、娘には自信をもって楽しんで弾いてもらえたら何よりです。
田原先生、どうもありがとうございます。