夢を諦めなかった私！

私は、たぶんその当時ではどちらかと言えば裕福と言われる方の家庭で育った気がする！

そんな訳で、ソロバン、お習字、英会話、絵画、ピアノetc.沢山の習い事をさせられた！

でも、幼少の頃の私つたら内気でとにかく人と喋る事が苦手！

一人遊びが大好きな変なこども！

ですから、習い事も長く続くものが少ない！

今考えるとなんてもったいない事をしたと思います！

だつて、辞めた理由の一つなんですが！

その習い事好きだったのに

お友達にくつを間違えて履いて帰られちゃつた〜

その理由を私は上手くお話し出来ないから結局辞める事になっちゃいました。

また、3歳か4歳頃叔父に動物園に連れて行ってもらったそうですが、帰ってくるまで一言も喋らず、にこりともしなかったそうで！

「なんて可愛くない子」

なんて言われるような

どうしようもない最悪のこどもだったようです(笑)

でも、幼い頃から歌をよく歌い、おもちゃのピアノだけは楽しそうに弾いていた少女だったそうで！

その様子をず〜っと見守ってくれていた両親は

突然、東京の楽器店まで鍵盤楽器を買いに連れて行ってくれました。

そして、そこからが運命のイタズラの始まりでした。

わたしがこどもの頃のピアノは、今考える以上に高価なもの！

そして、何事も習い事が長続きしないものですからピアノよりはお安いオルガンを購入予定で出掛けたそうです。

内気な私なのに！

なぜか？ 不思議？

楽器店で自分から初めてピアノに触れました？

そして、私は小さなこどものなのに生意気にも

本物のピアノに触れた事で絶対にピアノが欲しいと思っちゃったのです。

でも両親にその事を何も言えないまま、楽器店でオルガンを購入してもらいました。

帰宅しようと東京駅に戻って来た時です。

私が「ピアノが欲しい」と駅構内に座り込んで泣き叫んだんです。

幼い私でしたが、今言わなきゃ！

もうピアノには出会えないと思ったのかしらねえ？

この頃の私では自分でも考えられない行動でした。

その事を今でもしっかり覚えてる程ですから！

内気でいつも両親の言う事を素直に聞く子だっただけに両親にとつても、とてもビックリ衝撃的な出来事だったようです。

普段おとなしくて、こんなに自己主張する事なんてなかつた出来なかった子ですからね〜

両親は、余程の事と思ってくれたんでしょう。

楽器店にもどりオルガンをキャンセルしてピアノを購入してもらえる事になつたんです。

そして、当然ピアノを習わせてもらい

将来の夢はピアノの先生になる事に！

その為に音大に行くと夢を膨らませていました。

ここまでのお話しだと

な〜んだ幸せ一杯のお話し？と

思われるかも？

でも、違うんです！

ここから、運命の歯車が狂っていつたのです。

(なんだかカッコいい言い方〜^_^)

悪い事は続くものだと信じられないくらい早い年齢で知ってしまいました。

父の事業が失敗！

母、癌で闘病生活に！

ピアノのお月謝も払えない状況に！

泣く泣くピアノを辞めました。

音大なんて夢また夢のお話しになってしまいました。

私には弟がいました。

弟には大学に進学してもらいたい！

だから、高校を卒業すると進学を諦め豊田通商に入社！

車両部より副支店長秘書まで務めあげました。

仕事を始めてからいつでも音楽学校に入れるよう自分のお給料で再び念願のピアノを習い始めました。

そして、弟が晴れて大学に入学！

私は、やっと

今度は、自分の夢を叶える為の時が来た〜

という訳です。

夢を諦めなかった私は

音楽学校に進学！

そして卒業！

そして、今現在私の夢だったピアノ講師をさせて頂いています。

ピアノ講師迄になる道のりは遠回りで、その運命を恨んだ事も正直ありました。

でも、今はその遠回りが全て無駄ではなかつた事！

それが良かったと思える自分がいます。

そして更に、その遠回りで得たものの方が大きかったと気が付きました。

私の幼い頃は、お嬢ちゃんと呼ばれて育っていましたから、

その遠回りの道のりがなかったら、人間としてはどうだっただろうと思うのです。

会社勤めをしたおかげで、

まず、働いてお金を頂く事の大変さを知りました。

理不尽な事でも頭を下げなければならない！

などなど！

もし、順調に音大を出てすぐにピアノ講師になっていたら私のような人間は、

「先生、先生」なんて言われて調子に乗り謙虚さのかけらもない、どうしようもないピアノ講師になっていたような気がします。

辛い事を知っているから思いやりがもてる！

辛い事を知っているから寄り添える！

そして、なにより諦めなかったからこそ

今、大好きなこの仕事をこども達と一緒に行える有難さを誰よりも感じられてる

と自信を持って言える自分がいます。

今、こんな幸せな事はないと心から思いながらレッスンさせて頂いています。

いつまでも謙虚さを忘れないで常に勉強し続けます。

そして、私の人生の恩返しは生徒さんに私の持っている知識を惜しみなく伝え行く事だと思って、これからもレッスン頑張ります。

クラビアートピアノ教室 講師 田原礼子